音楽療法
目次
音楽療法とは、
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「音楽のもつ生理的、心理的、社会的働きを用いて、心身の障がいの回復、機能の維持改善、生活の質の向上、行動の変容などに向けて、音楽を意図的、計画的に使用すること」(日本音楽療法学会の定義)
人それぞれに好みは違いますが、誰もが抵抗なく耳や目、また振動などによって受け入れる事のできるのが音楽であり、音楽活動を通しての達成感は人々に喜びや自信を与え、生活の質の向上または尊重にも繋がります。音楽療法士は 心身の快適状態の促進、ストレスの緩和、痛みの緩和、感情の表現、記憶力の回復、向上、コミュニケーションの改良、そして身体的なリハビリテーションの促進などに取り組んでいます。
音楽療法の活動内容は受動的音楽療法と能動的音楽療法に分けられます。
受動的音楽療法
音楽を鑑賞することによってリラクゼーションや心身の機能の回復・改善を促進します。
★音楽を聴くことで脳波・血圧・脈拍・発汗などが影響され、気持ちが落ち着き痛みや不安が緩和します。
能動的音楽療法
セラピストが提供する音楽活動に参加することによる能動的な音楽療法。
音楽療法の対象
・発達や身体にハンディキャップのある方(自閉症・重複障がい・言語障がい・視覚、聴覚障がいなどを含む)
・情緒不安定・ストレス・不眠などでお悩みの方(薬物乱用・虐待・トラウマなどからの回復をお望みの方などを含む)
・痴呆症の方
・身体機能や精神面のリハビリテーションの一環として
・幼児教育の一環として
・その他、様々な理由により精神的な生活の質の向上を必要とする方
など
セッションでの音楽活動
歌唱
わらべ歌・簡単な手遊び・歌遊び・歌って聴かせる歌・グループ歌唱・合唱・歌のレッスン など。
歌の種類:童謡・唱歌・合唱曲・懐メロ・歌謡曲・演歌・フォークソング・ポップス・ロック・
ニューエイジ音楽・民謡 など
楽器
興味を引くための音として・音や楽器を通しての遊び・簡単な楽器演奏・即興・合奏・
オーケストラ など。
動き
体操・模倣を中心とした動き・型の決まったダンス・自由な即興の動き など
音楽鑑賞
対象者の興味に合ったものを用い、その音楽についてセラピストと共に会話をする など
創作
気に入った詩に作曲をする・替え歌をする など
他のメディアとの組み合わせ
音楽を聴きながら感情を絵にする・視覚的なイメージを音にする など
リラクゼーション
患者が望む音楽を聴きながらセラピストの指示にそってリラックスしていく など
子どもと青少年のための音楽療法
音楽療法では、それぞれのお子さんのレベルに合わせて目的を設定し、音楽活動を通しての達成感、満足感の体験の中からコミュニケーション・認知面・感覚運動・知覚運動・社会面・情緒面・精神面など、お子さんのさまざまな領域のニーズを改良へと導きます。
音楽療法士は以下のようなお子さんを対象にしています
発達障がい/行動障がい/情緒障がい/身体障がい/重複障がい/言語障がい/自閉症/視覚障がい/聴覚障がい/
物質関連障がい/虐待、性的虐待/重複診断/頭部損傷/レット症候群/摂食障がい/ダウン症候群/入院中の児童/
家族と死別した児童/早産児、新生児/ウィリアム症候群 など
発達障がいのあるお子さんのための音楽療法
音楽療法士は、学習過程の中で失敗を重ねやすいお子さんが、音楽を通して楽しく成功体験を重ねることができる場面を設定します。シンプルな歌、手遊び、楽器演奏などによる成功体験を通して、アイコンタクトの回数の増加、集中力の持続時間の増加、指示に従うことや声での模倣力、記憶力や微細運動能力、聴覚弁別能力の向上、グループセッションによる社会性やコミュニケーション能力の向上など、それぞれのニーズに応じて目標を設定し、目的の達成へと導きます。
行動障がいのあるお子さんのための音楽療法
音楽療法士は、行動障がいのあるお子さんが自分自身に気づくことや誤解されたり上手く言葉で言い表せない感情を表現する力を音楽を媒体として導き出します。お子さんたちは、音楽活動を何度も重ねる間に自分をコントロールすることや感情を上手く外へ出す方法を学びます。音楽を演奏している間の表情や非言語的な行動、またボディランゲージからは、お子さんの感情の理解を安全に深めることができます。
学習障がいのあるお子さんのための音楽療法
音楽療法士は、クラスルームでの学習内容と併用して学習障がいのあるお子さんが学びやすい環境を作り、音楽を用いて学習の補強を促進します。また、音楽スキルを学ぶことや音楽活動を通しての訓練は、一般の学習習得を高めるお手伝いをいたします。
例:
運動能力障がいのあるお子さんのための音楽療法
楽器を演奏するためにはさまざまな身体の動きや目と手の連動したが動き必要です。同様に、息を吹き入れる楽器や歌唱活動には呼吸の調整が必要となります。音楽に合わせてダンスを踊る、また音楽療法士の指示に従って身体を動かすためにはコントロールすることが必要となり、このような活動を通して音楽療法は運動能力に障がいのあるお子さんたちの神経筋や骨の病気のリハビリテーションとして用いられます。
コミュニケーション障がいのあるお子さんのための音楽療法
音楽療法は歌唱活動を通し、コミュニケーションに障害があるお子さんの発音、抑揚、呼吸、話すスピードの改良を促進します。また、言語や話し方だけではなく、音声の記憶やピッチ(音の高さ)を合わせること、流暢に話すという細やかなスキルの習得を促します。また、歌唱活動や吹く楽器を使った活動は言語療法と連携を取ることも可能です。言語を使用しないお子さんへは音楽を媒体として感情や考えを表現するきっかけを導き出し、グループの中で、もしくはセラピストとの1:1の関係の中で人との係わり合いを学びます。
感覚障がいのあるお子さんのための音楽療法
感覚障がいのあるお子さん達は、視覚、聴覚、またはその両方に問題を抱えています。音楽療法は、クラスルームでの学習の補強、想像力または創造力、表現力の強化、音や楽器の振動による刺激、またそれらによる生活の質の向上などを促進します。聴覚障がいのあるお子さんにとっての音楽療法は、視覚的な刺激、楽器の振動による刺激と共に歌唱活動による発音、抑揚、話すスピードの改良、語彙の増加、またグループの中でのコミュニケーション能力の改良や集中力の増加などを促進します。
その他
家族療法をモデルとする音楽療法においては、親と子が彼らの好きな音楽やその音楽の意味について話し合い、共に演奏することによって親子のコミュニケーションを促進します。言語的表現の苦手な思春期のお子さんには、家族間に起こる人間関係を楽器に例え、即興演奏することによって自分自身の感情により深く気付く経験を促し、摂食障がいのような問題を抱えるお子さんにとってもこのような即興演奏は彼ら自身が障がいの原因となる心理過程の理解を深めるために効果的に用いられます。
成人のための音楽療法
医療現場においての音楽療法は、患者一人一人のニーズに応じて様々な形でおこなわれます。また、医師の診断はなくても日常生活の中で起こるストレスや痛みに対処したい方、音楽を通した自己表現の場を必要とする方の不安・緊張・ストレスなどの緩和のため、音楽療法士は働きかけます。
医療現場での音楽療法
医療現場においての音楽療法は、患者の精神的な不安や緊張、ストレス、痛みによる不快感などの軽減を促し、患者がリラックスできるような方法を創り出します。また、病を抱える人たちに音楽活動を通し、グループのメンバーたちと共に語り合い、感情を表現し、意味深い経験や思いを他者と共有できる場を提供します。中には音楽療法の場で新しいスキルを身につけ、それが励みになるというケースもあり、音楽療法による精神の安定、安堵は患者の気力を高め、病の回復を精神面よりサポートします。
医療現場における音楽療法の目的
精神障がいのある成人の方への音楽療法
精神に障がいのある方への音楽は、言語を使わない表現方法として使用されます。また音楽上のテーマや歌詞について話をし、患者自身が自分の感情に気付くこと・理解することや、音楽療法士が患者の思いや感情を知ることは、問題を回復へと導きます。患者は時として自分の感情に似たアイディアを表現した歌を耳にした時、感情を表し自身への認識を高めます。また、即興演奏や作詞、作曲、歌詞の分析なども、患者が自身の感情に気付き、考察し、改めることのできる機会を与える方法として用いられます。
法廷精神科での音楽療法
音楽療法士は、刑務所の中で未成年犯罪者や成人受刑者のために、健康で前向きな経験や衝動をコントロールする方法、他者との係わり方、自分への気付きを促す場など、音楽活動を通して提供しています。(アメリカの例)
リハビリテーションとしての音楽療法
音楽療法士は、一度失った機能のトレーニングや回復の補助のため、楽器演奏、歌唱活動、音に合わせて身体を動かすアクティビティなどの音楽活動を通し、身体的、精神的なリハビリテーションを促進します。
高齢者のための音楽療法
記憶と音楽には深い関係があり、大好きだった曲・忘れられない曲を耳にすることはその当時の記憶を甦らせるきっかけとなります。音楽療法の活動の中には正解も不正解もなく、間違いを犯すというリスクなしで成功体験を得ることができ、音楽活動に参加することは楽しかった過去を思い出すことや創造性、新しいことを学ぶ意欲を導き出します。また、自分自身をつまらないと思ってしまったり、不安や絶望感を抱きがちな高齢者の方が希望や自信、活力を取り戻す力を引き出します。
死と音楽療法
音楽療法は、死の準備における過程の中にも特別な場所をもっています。死に直面している人たちは、聞きたい曲、歌いたい音楽を選ぶことや、療法士に手伝ってもらいながら作詞、作曲をすることで自分の気持ちを表現します。(Lee 1995,Mandel,1993,Martin,1991)。ある研究ではBGMを流した時に、昏睡状態にある患者にわずかな身体の動きではあるが応答が見られた、という劇的な結果(Boyle&Greer, 1983)が記されています。
参照文献
Dr. Suzanne B. Hanser, Ed.D., MT-BC (1999) The New Music Therapist's Handbook:Berklee Press
加藤美知子, 音楽療法の実践 −日米の現場からー:星和書店
音楽療法士プロフィール
紺野微佳 (こんの そよか)
2000年 武蔵野音楽大学 教育学部 声楽学科 卒業
2006年 バークリー音楽大学, Boston MA 音楽療法学科 卒業
2006年9月 帰国
音楽療法歴
シェリルハウス(老人ホーム), JamaixaPlain, MA 2003年 9月-12月
ダナ・ハーバー癌研究病院(The Jimmy Fund), Boston, MA 2005年 1月-5月
マサチューセッツ病院付属養護学校, Canton, MA 2005年 9月- 2006年 6月
たいよう共同作業所 福島県 郡山市 2006年10月より現在
その他の活動:
ご質問・お問い合わせは未夏 Withへ
〒963-8052
福島県郡山市八山田五丁目423番地
Tel. 024-921-1888
Fax. 024-921-1889
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